お金の貸し借りで必要となった公正証書の作成を迅速にサポートします

お金の貸し借りでは通常の契約書ではなく公正証書を作ることをお勧めします。なぜなら、債務者から返済が滞ったとき、裁判を経ることなく債権回収できるからです。そんな費用対効果の高い「転ばぬ先の杖」となる公正証書について、具体的にどういったもので、どのような手続きで作成できるかについて説明します。

お金の貸し借りに公正証書を作る理由

お金の貸し借りについての契約書は、貸主と借主の間で原則として自由に作成することができます。公正証書を必ず作らなければならないというわけではありません。ではなぜ、一般的にお金の貸し借りになると公正証書を作ることが多いのでしょうか。それは、公正証書には通常の契約書には無い特別な力が備わっているからです。

公正証書の持つ特別な力

高い証拠力

一般的な契約書は、後で当事者の言った言わないという争いを避けるために作成されるものですが、取引の存在が争われる場合、裁判手続きが必要となります。 例えば、お金の貸し借りについて、借主がそのような契約書には署名していないと主張する場合、貸主は裁判手続きによって貸主・借主が合意して契約したことを立証しなければなりません。
一方、公正証書は公証人(元裁判官など)によって作成されます。公証人は法務大臣によって任命される公務員ですので、民事訴訟法228条の規定により「文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定」(同条2項)されます。つまり、公証人という、経験豊富な元裁判官などの立ち合いのもと締結された公正証書を前にして、借主は「そんな契約はしていない」などということは事実上できなくなるのです。

迅速な債権回収力

一般の契約書では、合意にしたがって返済が行われなかった場合、裁判を起こし、主張を認める判決を得て、そのうえで強制執行により相手方の財産から債権の回収を行う必要があります。裁判手続きは多大な時間とコストがかかり、権利を主張する貸主としても大変な負担となります。
しかし、公正証書、なかでも金銭の貸し借りについての公正証書では、「一定額の金銭の支払い、または代替物や有価証券の一定数量の交付を内容とする場合で、かつ、その債務者がもし債務の不履行があったときは強制執行をされることを認諾するという趣旨の事項がある場合、債権者はただちに強制執行の手続がとれる」という仕組みが設けられています。この仕組みを利用すれば、貸主は一般的な契約書のように煩雑な裁判手続きを経ずに、いきなり借主の財産に対して強制執行を行うことができるのです。

副次的な効果

お金の貸し借りについて公正証書を作成すると、借主としても公正証書の持つ力により自らの債務(返済)について緊張感をもって対応するので、債務不履行が生じにくくなるという副次的な効果もあります。

 

 

公正証書作成の依頼

 

お金の貸し借りで作る公正証書の種類

お金の貸し借り等一定額の金銭の支払いに関する公正証書は主に3つあり、それぞれの特徴を理解し、状況にあわせた公正証書を作成することになります。

金銭消費貸借契約公正証書

金融機関からのローンや個人間の貸し借り等これからお金を貸し借りする時に作成する最も一般的な公正証書です。

準消費貸借契約公正証書

当事者間の過去の取引で返済が滞っている場合、その未払分について前記の金銭消費貸借契約公正証書に作り替えるものです。

債務弁済契約公正証書

取引や不法行為などから発生した債務について、その返済方法等を当事者間で取り決めて公正証書にするものです。

 

金銭消費貸借契約公正証書の作成

ここではお金の貸し借りで最も出番の多い金銭消費貸借契約公正証書について、その記載内容や必要書類、作成手続きを説明します。

作成前に取り決めておく事項

公正証書は貸主・借主双方が合意していなければ作成することができませんので、事前に合意内容を具体的に決定しておく必要があります。当所による公正証書案の作成はお聞きした合意内容をもとに作成されます。

① 債権者(貸主)の氏名、職業、生年月日、住所
② 債務者(借主)の氏名、職業、生年月日、住所
③ 連帯保証人の有無(存在する場合、氏名、職業、生年月日、住所)
④ 債務の発生日(お金の貸し借りの日)と債務額(貸付金額) 、発生原因
債務は他の債務と区別できるように、債務の性質、発生時期、回数等で特定します
⑤ 元金の返済方法
一括・分割、返済金額、返済期日、銀行振込・持参など
⑥ 利息の有無と支払方法
年利、利息発生日、支払期日
⑦ 遅延損害金の有無
返済が滞った場合の年利
⑧ 期限の利益喪失条項
分割返済の場合にどのような時に一括返済を求めるかを定めます
⑨ 強制執行認諾文言を公正証書に記載するのか否か
裁判手続きを経ずに直ちに強制執行を認める定めです

必要書類

公証人と調整のうえ公正証書案を作り、当事者/代理人が公証役場で公正証書に調印する当日、以下のものを持参する必要があります。(一部書類は文案作成段階で写しをご提供いただきます)

当事者が個人の場合

以下①~⑤のいずれか一つを持参します
① 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)と実印
② 運転免許証と認印
※運転免許証記載の住所と現住所が異なる場合、住民票が必要となります。
③ 住民基本台帳カード(顔写真付き)と認印
④ マイナンバーカード(顔写真付き)と認印
⑤ パスポートと住民票と認印

当事者が出席できない場合
代理人が以下すべてを持参します
① 欠席当事者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
② 代理人への委任状(当事者個人の実印押印、全ての合意内容を記載したものを添付し割印)
③ 代理人の本人確認書類+実印/認印(当事者個人の場合の①~⑤のいずれか)

当事者が法人の場合

以下すべてを持参します
① 代表印(実印)
② 法人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)と
③ 法人の履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書(発行から3ヶ月以内)

法人の代表者が出席できない場合
代理人が以下すべてを持参します
① 代理人への委任状(代表印(実印)押印、全ての合意内容を記載したものを添付し割印)
② 法人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
③ 法人の履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書(発行から3ヶ月以内)
④ 代理人の本人確認書類+実印/認印(個人の場合の①~⑤のいずれか)

状況に応じて持参する書類

  • 債務発生の事実がわかる借用書などの書類
  • 連帯保証人がいる場合は連帯保証人の印鑑登録証明書などの本人確認書類
  • 担保がある場合は預金の残高証明書や不動産登記簿謄本など担保に関する資料

 

  補足
契約内容により追加書類が必要となる場合がございます。
代理人を立てる場合の委任状について
委任状を有効なものとするためには、委任状の別紙として合意内容の分かるものを添付した上で、委任者の実印をもって全ページに割印を行う必要があります。具体的には、委任状を1ページ目とし、2ページ目以降に具体的な合意事項を記載した書面(公正証書案文など)を合わせて綴じ、これらを一体化させ、文書の改ざんや差し替えを防ぐために、委任者全員が1ページ目の委任状を含め各ページの間に実印で契印(割印)をする必要があります。
また、枚数が多い場合には各ページの間の契印(割印)を簡略化して、袋綴じをして綴じ目に契印(割印)をする方法もあります。

公正証書の作成にかかる費用

公正証書の作成費用は、公証役場に支払う手数料、印紙代、弊所のサポート報酬からなります。弊所のサポート報酬はサポート内容により、公正証書文案作成、公証人との調整、公証役場代理/同席等からなります。

公証役場に支払う手数料

公証役場に支払う公正証書作成手数料については、公証人手数料令に法定されており、貸し借りするお金の金額(債務額)を目的の価額として手数料を計算します。
※ 抵当権その他の担保設定をする場合、担保物件の価額または担保される債権の額のいずれか少ない額の半額に、担保される債権の額を合算した額が目的の価額となります。

目的の価額 手数料
100万円以下 5,000円
200万円以下 7,000円
500万円以下 11,000円
1,000万円以下 17,000円
3,000万円以下 23,000円
5,000万円以下 29,000円
1億円以下 43,000円

1億円を超えるものについては、超過額5,000万円までごとに、3億円以下までは13,000円ずつ、
10億円以下までは11,000円ずつ、10億円を超えるものは8,000円ずつを、43,000円に加算されます。

例えば、目的の価額が7億円の場合、43,000円+(13,000円×4)+(11,000円×8)=183,000円が手数料となります。

その他の公証役場手数料 (公正証書の枚数、通数、送達方法等により発生)
  • 公正証書正本・謄本の作成費用 枚数1枚につき250円
  • 公証役場で保管する公正証書原本の用紙枚数が4枚(4枚までは無料)を超えるとき、1枚毎に250円を加算
  • 郵便送達 1件あたり 約4,000円
  • 交付送達 1件あたり 1,400円
  • 送達証明発行 1通あたり 250円
  • 執行文付与 1件あたり 1,700円
  • 公正証書原本閲覧 1回につき 200円
  • 公正証書謄本交付 1枚250円 × 紙枚数

印紙代

契約書等の一定の課税文書を作成した場合に課される印紙税(国税)です。
金銭消費貸借契約(公正証書)の場合は目的価額に応じた印紙代(原本一部のみ)が必要です。

記載された契約金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1,000円
100万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1千万円以下 10,000円
1千万円を超え5千万円以下 20,000円
5千万円を超え1億円以下 60,000円


※債務弁済契約公正証書の場合

もともと締結されている契約があり、その債務を承認した上で改めて弁済方法を定める契約であるため、契約金額の記載がないものとして印紙代は200円となります。

弊所サポート報酬

27,000円~(税抜)
サポート内容:公正証書文案作成、公証人との調整、公証役場出席代理/同席等

 

公正証書作成の依頼

 

金銭消費貸借契約公正証書作成の流れ

相談受付
債権者(貸主)と債務者(借主)で取り決めた合意内容を確認させていただきます。

公正証書案の作成
合意内容をもとに弊所が公正証書の案を作成のうえ、公証人と公正証書の細部を調整し公正証書案を完成します。
※当事者の印鑑証明書等の必要書類については事前にメール/郵送/ファックスでお送りいただきます。
※調印日に当事者の一方または双方が出席せず代理人を立てられる場合は事前にお知らせください。

公証役場での調印日の調整
お客様・公証人のご都合をお聞きし、公正証書に署名・捺印する日程を調整します。

公証役場での調印
必要書類原本を持参のうえ、予約日時に債権者(または代理人)と債務者(または代理人)そろって出頭します。
公証人により証書内容の読み上げが行われ、間違いが無ければ当事者本人または代理人が署名・押印することにより公正証書が完成します。
完成した公正証書の正本・謄本を受け取り手続は終了です。

 

弊所料金

27,000円~(税抜)
[サポート内容]   公正証書文案作成、公証人との調整、公証役場出席代理/同席等

弊所の対応地域

東京23区
追加料金なしで文案作成~公証役場代理出席/同席いたします。

他府県

公証役場への出席が必要な場合は旅費をご負担いただきます。
文案作成のみご依頼の場合、別途ご相談ください。

 

金銭消費貸借契約公正証書の作成

 

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