日本人の配偶者ビザ

日本人とフランス人が結婚し共に日本で共に暮らすには、フランス人パートナーは「日本人の配偶者等」というビザを取得する必要があります。そのためには先ず法的な結婚手続きを済ませることからスタートします。結婚手続きは両国の法律の違い等から必要書類の入手等に時間がかかりますので早めに準備を進めましょう。

結婚手続きが完了したらビザ申請です。忘れてはならないのは、法律的に結婚していることとビザが許可されることはイコールではないということです。ビザが許可されるためには、法的手続きが完了していることに加え、夫婦生活の実質が伴っていることを証明する必要があります。

以下では、両国の結婚手続きとビザ申請のポイントを紹介するとともに、日本人の配偶者ビザで生活をスタートした後のビザや生活の情報を提供しています。

日本人とフランス人の結婚手続

日本とフランスの結婚制度の違いや手続きを進めるうえでの注意点について説明します。

日本とフランスの結婚制度の特徴

日本・フランスともに男女とも18歳が婚姻可能となる年齢です。ただし、フランスでは、厳格な手続きを経て、例外的に18歳未満での婚姻が認められる場合があります。

日本では女性が離婚直後など一定の場合に再婚を禁止する期間である再婚禁止期間がありますが、フランスではこの制度は廃止されました。

また、フランスでは日本よりも事実婚が多く、制度保証も進んでいます。ただし、皆さんがこれから取得を希望する日本人の配偶者ビザでは法律婚を済ませる必要があります。

日本とフランスの婚姻要件

日本 フランス
結婚可能年齢 男性18歳 女性18歳

※未成年者は父母の同意が必要

男性18歳 女性18歳

※例外的な取り扱いあり

手続先 市区町村役場等 市区町村役場(Mairie)

どちらの国で先に結婚手続きを進めるか

ビザ申請のためには両国で結婚手続きが完了している必要があります。結婚手続きは日本・フランスどちらの国で先に手続きしても問題ありません。二人が現在どこに住んでいるかや手続きにかかる時間など、状況に応じてより負担の少ないほうで進めてください。なお、両国の間には査証免除措置があり、日本人→フランス、フランス人→日本 どちらも査証なしで90日間 相手国に滞在することができます。

日本で結婚手続きをおこなう場合の手順

.フランス人の結婚要件具備証明書を取得する

結婚相手であるフランス人がフランスの法律上 結婚することに障害が無いことの証明書です。

結婚要件具備証明書は在日フランス大使館で取得することができます。

必要書類

日本人側 フランス人側
  • パスポートコピー
  • 質問票(大使館所定書式)
  • 戸籍謄本(アポスティーユ付与したもの)
  • 戸籍謄本のフランス訳
  • パスポートコピー
  • 質問票(大使館所定書式)
  • 出生証明書コピー(3ヶ月以内発行のもの)
  • 国籍証明書コピー
  • 住所証明書類(公共料金領収書など)
  • 在留カードコピー(お持ちの場合)

 

  • 郵送での申請も可能
  • 日本人側が用意する戸籍謄本は、日本外務省でアポスティーユ(認証)を付与する手続きが必要です。
    また、アポスティーユ付与がされた戸籍謄本の翻訳は、在日フランス大使館が指定する翻訳会社で翻訳する必要があります。
.二人で日本の市区町村役場に婚姻届を提出する

婚姻届を提出することにより次のステップで必要となる婚姻届受理証明書が取得できます。

必要書類

日本人 フランス人
  • 婚姻届(証人二人の署名)
  • 戸籍謄本
  • 公的身分証明書
  • パスポート
  • 婚姻要件具備証明書及び和訳
  • 出生証明書及び和訳
  • 在留カードコピー(お持ちの場合)

※市区町村役場により若干異なる場合がありますので事前にご確認ください。

・フランスの結婚方式にしたがい二人で婚姻届を提出してください。

・婚姻関係が反映された戸籍謄本は届出から2週間程度で取得できます。

.婚姻届受理証明書にアポスティーユを付与する

日本外務省 領事局領事サービスセンターに窓口申請又は郵送申請で手続きします。

.アポスティーユが付与された婚姻届受理証明書のフランス語訳を作成する

フランス大使館が指定する翻訳会社で翻訳を行ってください。

.在日フランス大使館へ婚姻届を提出する

この届出は日本での婚姻届をフランス側に報告する手続きです。
この届出により「結婚証明書」および「家族手帳」が発行されます。

必要書類

・婚姻届登録依頼書(DEMANDE DE TRANSCRIPTION D’ACTE DE MARIAGE)
・婚姻届受理証明書及びフランス語訳

ビザ申請で必要となる「結婚証明書」(COPIE INTEGRALE D’ACTE DE MARIAGE)および「家族手帳」(Livret de Famille)は、本届出後6週間はかかります。

在日フランス大使館・領事館

大使館の組織概要 – La France au Japon (ambafrance.org)

在日フランス大使館 〒106-8514 東京都港区南麻布4丁目11-44

TEL : (03) 5798-6000

在京都フランス総領事館 〒606-8301 京都府京都市左京区吉田泉殿町8

TEL : 03-5798-6172

 

フランスで結婚手続きをおこなう場合の手順

.日本人の戸籍謄本を取得する

手順4の在フランス日本大使館への提出前3ヶ月以内に発行されたものが必要です

.戸籍謄本にアポスティーユを付与する

日本外務省 領事局領事サービスセンターに窓口申請又は郵送申請で手続きします。

.在フランス日本大使館で日本人の出生証明書・慣習証明書・独身証明書を取得する

必要書類

  • 申請書
  • パスポート
  • 戸籍謄本(アポスティーユが付与されたもの)
  • (必要に応じて)改正原戸籍、除籍謄本
  • フランス市役所発行の必要書類リスト

日本人側が再婚である場合、前婚姻から現在まで全ての戸籍謄本が必要です。

また、日本人側(女性)の前夫の除籍謄本(アポスティーユ付与)が必要となります。

.フランスの役所へ婚姻届を提出する

日本人の必要書類

  • パスポート
  • 出生証明書
  • 独身証明書
  • 慣習証明書
  • フランスの滞在許可証

  • 届出から10日間の公告が行われます。
  • 公告期間終了後、役所の登記官の面前で婚姻の宣誓をおこなうことにより婚姻が成立します。
  • 本手続終了後に婚姻証明書が取得できます。
.日本側に婚姻届けを提出する

この届出はフランスでの婚姻届を日本側に報告する手続きです。

在フランス日本大使館で手続きする場合

必要書類

  • 婚姻届
  • 日本人の滞在許可証
  • 日本人の戸籍謄本
  • 婚姻証明書及び和訳
  • フランス人のパスポート及び和訳
  • フランス人の出生証明書及び和訳
  • その他 届出先機関が指定する書類

日本の市区町村役場で手続きする場合

必要書類

  • 婚姻届
  • 日本人の公的身分証明書
  • 戸籍謄本
  • 婚姻証明書及び和訳
  • フランス人の国籍証明書類及び和訳
  • その他 届出先機関が指定する書類

在フランス日本大使館・領事館

在フランス日本国大使館・総領事館|外務省 (mofa.go.jp)

在フランス日本国大使館

France

Ambassade du Japon

7, Avenue Hoche, 75008, Paris, France

電話:(33-1)4888-6200

在ストラスブール日本国総領事館

Strasbourg

Consulat Général du Japon

20 Place des Halles, “Bureaux Europe”, 67000 Strasbourg, France

電話:(33-3)88-52-85-00

在マルセイユ日本国総領事館

Marseille

Consulat Général du Japon

132 Michelet, 132, boulevard Michelet 13008 Marseille, France

電話:(33-4)91-16-81-81

在リヨン領事事務所

Lyon

Bureau Consulaire du Japon

131, boulevard de Stalingrad 69100 Villeurbanne, France

電話:(33-4)37-47-55-00

在ヌメア領事事務所

Nouméa

Bureau Consulaire du Japon

B302, Hilton Nouméa La Promenade Résidences,

109 Promenade Roger Laroque, Nouméa 98807, Nouvelle-Calédonie, France

電話:(687)24-46-85

 

日本人の配偶者ビザの申請

結婚手続きが完了したら、いよいよビザの申請です。

日本人が日本に、フランス人がフランス等海外に住んでいる場合

在留資格認定証明書交付申請(COE)

フランス人が就労ビザ等を持って既に日本に住んでいる場合

在留資格変更許可申請

申請ルートは異なりますが、実体を伴った真実の結婚であり、日本で安定的に生活していけることを申請書で立証するというポイントは同じです。

なお、二人とも海外に住んでいる場合は、法律により、日本人の両親・兄弟姉妹等が申請代理人となって「在留資格認定証明書交付申請(COE)」をおこなう必要があります。※手続上の代理人は日本人の両親等が行う必要がありますが、書類作成等の実質的なサポートは弊所にて提供可能です。

日本人の配偶者ビザの対象者となる外国人

正式な婚姻手続が完了し、日本人配偶者と夫婦の実体をともなった生活を送っている外国人配偶者が対象となります。

したがって、次のような場合は対象となりません。

・法律上の婚姻手続を行っていない内縁関係であること

・法律上の婚姻手続は完了したが夫婦の実体をともなわない

・離婚している

なお、夫婦が同居していることは申請の許可を得るためには重要な要素ですが、同居していないことのみで不許可となることはありません。入管はあくまで偽装結婚による入国を防ぐためにこの点を考慮しているので、別々に暮らしている場合でも夫婦の実体があることを様々な角度から証明できれば許可を得ることは可能です。

日本人の配偶者ビザを取るための要件

日本人の配偶者ビザ申請で許可を得るためには次の全ての要件を満たす必要があります。

1)双方の国で婚姻手続が完了している
2)実体を伴った婚姻関係にある
3)日本で安定した生活を送れる経済基盤がある

手続上の婚姻手続きが完了していることは当然として、二人が真実に夫婦と言える共同生活を送っている必要があります。入管から偽装結婚ではないかと疑わることのないよう、様々な書類で夫婦の関係性を証明していく必要があります。「このようなプライベートなことまで入管に教えないといけないのか」と思われるかもしれませんが、毎日のように偽装結婚による申請案件を処理している入管担当者のことを考えるとやむをえません。また、できる限り多くの判断資料を入管に提供することが早期の許可につながることにもなります。

経済基盤については、ビザを与えても安定した生活が送れなければ最終的に生活保護や違法な活動に従事する可能性があるなど日本にとって不利益となることを防ぐためです。この点については、経済基盤は夫婦単位で判断されますので、例えば外国人が無職であっても、日本人配偶者に安定した収入があり二人の生活が維持できるのであれば問題ありません。

なお、外国人が別のビザで既に日本に暮らしていて日本人の配偶者ビザに変更する際、入管法その他日本の法律に違反している場合は不許可となる可能性があるので注意が必要です。

日本人の配偶者ビザの申請書類

最低限の必要書類は入管ホームページに記載されていますが、国籍・夫婦関係は申請ごとに異なりますので、臨機応変に対応する必要があります。

入管に対して「両国の婚姻手続きが完了し、真実の夫婦関係があること。そして日本で安定的に暮らしていける」のを証明する申請であることを常に意識してください。

一般的には次のような書類を提出します。

・パスポート(原本又はコピー)
・申請人の顔写真(縦4cm×横3cm)
・身分証明書
・経歴書
・日本人配偶者の戸籍謄本
・日本人配偶者の世帯全員が記載された住民票
・外国人の本国で発行された結婚証明書及び和訳
・直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書
・直近1年分の納税証明書
・預金通帳のコピー
・勤務先の在職証明書
・勤務先の給与明細・源泉徴収票
・質問票(入管所定書式)
・身元保証書
・同居予定の建物の賃貸借契約書(又は所有権を証明する登記証等)
・その他 二人の関係や日本で安定した生活を送っていけることを証明する資料

日本人の配偶者ビザ申請から日本入国までの流れ

申請書類の収集・作成

・日本で発行される書類は3か月以内に発行されたものを用意してください
・フランスの結婚証明書は申請前6か月以内に発行されたものを用意してください

.住所地を管轄する入管へ申請書類を提出

審査期間の目安
海外から外国人配偶者を呼び寄せる在留資格認定証明書交付申請の場合:1~3か月
日本に在住する外国人配偶者の在留資格変更許可申請の場合:2週間~1か月

.ビザの許可

在留資格認定証明書が発行されます。

※既に日本に住んでいる外国人の在留資格変更許可申請の場合は、許可通知となるハガキを持って入管へ出頭し、新しい在留カードを取得します。

.フランス国内の日本大使館・領事館で査証申請

通常は数日で査証が発給されます。

.日本へ入国

到着空港によっては入国時、または後日郵送で在留カードが交付されます。

日本での生活スタート!

日本人の配偶者ビザは何年もらえる?

日本人の配偶者ビザの在留期間は6か月、1年、3年、5年のいずれかが許可されます。
初回の申請では通常1年の在留期間となります。
その後の更新申請で、夫婦としての生活の安定性などが考慮され3年や5年の更新が可能となります。

ビザ更新でより長い在留期間を得るためには、次のような点が判断材料となります。

・同居している
・夫婦の経済基盤が安定している
・税金や公的年金をきちんと納めている
・法律違反がない

日本人の配偶者ビザのメリット

就労制限がない

永住資格申請の条件が緩和される

就労ビザや留学ビザでは仕事の内容や就労可能な時間に制限がありますが、日本人の配偶者ビザではどのような仕事に就いても問題ありませんし、就労可能な時間にも入管法上の制限はありません。また、一方配偶者の扶養に入る必要もありません。したがって、日本人夫婦と同様に二人のライフスタイルを組み立てることができます。

さらに、永住資格申請についても日本人配偶者ビザは有利です。

通常では永住資格申請をするために10年以上日本に居住していることが求められますが、日本人の配偶者ビザでは次の条件を満たせば申請することができます。

・現在持っているビザが3年又は5年である
・実体のある婚姻が3年以上継続している
・引き続き1年以上日本に在留している

日本人の配偶者ビザの注意点(別居・離婚による取り消しなど)

日本人の配偶者ビザでは夫婦の同居が求められます。特段の事情もないのに別居していれば、望んだ更新期間が与えられないだけでなく、更新自体が認められないと考えたほうがよいです。したがって、初回申請のときと同様、実体のある婚姻生活がこのビザを維持するために必要です。

日本人配偶者と離婚・死別した場合、このビザの根拠がなくなります。この場合、母国へ帰国するか、他のビザへ変更する必要があります。日本に留まるために婚姻歴や本人の経歴、収入などを総合的に考慮し、よりふさわしいビザを検討します。

最後に、初回申請や更新申請で虚偽の内容を記載することは絶対に行ってはいけません。入管は過去の申請情報の把握はもちろん、実地調査も行います。更新申請や永住資格申請が台無しとなって、結局 日本から出ていかなければならなくなるでしょう。

日本人の配偶者ビザをとらずに日本で暮らす方法

何らかの事情で日本人の配偶者ビザを申請すること・許可をうけることが難しいと考えられる場合、他のビザを取得してパートナーと暮らすことを検討します。

例えば、就労ビザの許可要件を満たしている場合には、就職先を見つけて就労ビザを申請・取得し、日本人パートナーと暮らし、日本人の配偶者ビザの申請条件を満たした段階でビザ変更申請をすることも一案です。

就労ビザ取得についてはこちら

日本人の配偶者ビザの更新、永住資格の取得

日本人の配偶者ビザの更新

ビザは満了日の3か月前から更新の手続きが可能です。

直前にあわてて不十分な申請とならないようしっかりと準備したいところです。なお、申請後に当初の在留期間が切れても2か月間は猶予が与えられ、そのまま適法に在留することができます。

更新申請の審査は初回申請に比べて緩やかとなりますが、夫婦の経済状況が悪化している場合や別居しているような場合は細心の注意をもって申請を行う必要があります。

永住資格の取得

前記のとおり日本人の配偶者ビザは永住資格の申請条件が緩和されています。
次の条件を満たしている場合には申請を検討しましょう。

・実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦に在留していること
・配偶者ビザの在留期間が最長であること
・世帯に安定した収入があること
・税金や年金等の公的義務を適正に履行していること
・公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
・罰金刑や懲役刑などを受けていないこと
※日本人の配偶者ビザの最長在留期間は5年ですが、実務上3年の在留期間が交付されたら申請が可能です。

フランス人の日本人配偶者ビザ取得代行は弊所まで

弊所では、お客様にできるだけ負担のかからない料金で迅速なビザ取得に日々取り組んでいます。国内外での長年のビザ取得サポートの実績から確実なビザ取得に自信があり、万一不許可となった場合の一部返金制度を採っています。
いつでも安心してご依頼ください。

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