香港就労ビザ  3つの申請ルート

香港の就労ビザを申請する場合、申請者の置かれた状況で一般に次の3つの申請ルートがあります。

駐在員

申請者が日本や海外に所在する本社等から香港に所在する子会社等に出向するルートです。このルートからの就労ビザ申請が最も一般的です。

現地採用

申請者が既に就労ビザ等を保有し香港に滞在している場合に、転職等で就労ビザを現地で申請・取得するルートです。

海外直接採用

海外に在住する求職希望者がウェブサイト等の求人情報から仕事を見つけ、海外居住の状態で就労ビザを取得し香港に渡るルートです。

就労ビザという申請カテゴリーは同じですが、申請ルートによっては申請書類の中でより積極的に主張を展開していく必要があります。それぞれの申請ルートについて、どのような点に気を付けて申請書類を準備すべきか。
その前に、まず香港就労ビザ申請が許可されるために求められる基準について確認します。

香港就労ビザの許可基準

日本など海外企業から香港内の子会社等に出向する駐在員や現地採用される外国人の就労ビザについては、香港政府が定めるGEPと呼ばれる一般就業政策に則ってビザ発給の可否が判断されています。
香港政府として、香港経済に貢献することができる優秀な人材を受け入れるため、情勢に応じて香港が必要とする / 不足している特別な技能や知識・経験を持つ人材に対してビザを発給しています。

香港入境局(以下、香港イミグレ)では、上記理由から以下に挙げる基準を設けてビザ申請を審査しています。

  • 重大な犯罪歴がない等 安全保障上の問題がないこと
  • 関連分野において十分な学歴を有すること。特別な事情がある場合、優れた技術的資格・実績に裏付けられた専門能力、関連する実務経験があること
  • スポンサーとなる雇用主に真に欠員(空席ポスト)があること
  • 雇用のオファーが確定していること
  • 資格または実務経験に関連した業務に就くこと
  • 申請者が担当する業務が現地の労働力では容易に担うことができないこと
  • 報酬(給与・住宅・医療その他福利厚生を含む)が香港の同一専門職の一般的な市場水準に見合っていること

 

申請者側に求められる要件である「香港で行う業務に対して十分な知識・経験を持ち、ローカル人材で代替が容易でないこと」の立証が申請書類の中で必要となります。業務に対する十分な知識・経験に関しては、香港イミグレは大卒で3~5年、高校・専門学校卒では10年以上を判断基準としています。
ただし、申請者の知識・経験だけでなく、雇用主側の事業の規模や安定性も含めた総合判断となりますので、ケース毎の検討が必要です。
なお、申請書類として提出するスポンサー企業との雇用契約書には、その職位に相応しい雇用条件(管理職・専門職としての肩書及び報酬)が定められている必要があり、特に肩書についてはGEPを意識して適切に設定する必要があります。

 

 

香港就労ビザ:申請ルート別 申請書類作成の留意点

上に挙げたGEPが求める基準をふまえ、申請ルート応じて次の点に留意して申請書類の作成を行います。

駐在員

海外に所在する本社などで一定程度の実務経験を持ち、香港の子会社などに管理職として出向するケースでは、通常 一定の出向期間の後 本国に帰国するということもあり、ビザ審査は他のルートに比べ事務的な手続きとなります。とはいっても、香港イミグレの審査担当者にとって、申請者はもちろん雇用主のバックグラウンドについても必ずしも把握しているわけではありません。したがって、申請書類の中でGEP基準を満たしていることについて丁寧に立証する必要があります。

現地採用

申請者が既に数年間 香港に居住しており、現在保有している就労ビザの業務内容は変わらず雇用主を変更する場合、例えば、前職で人事マネージャーとして就労ビザを取得し、別会社に人事マネージャーとして転職する場合、申請書類としては、雇用主側に求められる許可要件(事業の安定性や申請者の担当する業務の空席ポストがあること等)を満たしていることを中心に主張を展開していきます。
一方、就労ビザを取得したばかりである場合や居住期間が場合、申請者の転職理由も含めて慎重に主張を組み立てる必要があります。

海外採用

申請者が、駐在員ではなく、海外から直接申請する場合、GEP基準を満たしていることを申請書類の中で十分に立証することが必要です。雇用主としては、その人材(申請者)を必要とする雇用主の事業規模・範囲・性質を考慮し、合理的な根拠を挙げて説明します。また、申請者にビザを許可することで、香港経済にどのような利益があるかについても積極的に主張すべきです。
設立年数が浅い雇用主や小規模事業者である場合、雇用主の事業の安定性について、多くの資料を提出して香港イミグレの審査担当者を納得させる必要があります。

 

 

上記どのルートから申請する場合であっても、申請者の実績や雇用主の事業状況など、申請者側に明白なことが香港イミグレ審査担当官にとってはそうでないことを肝に銘じ、GEP基準を満たしていることについて丁寧かつ要点を得た主張を展開する必要があります。最初の提出書類の主張が不十分/的外れであれば、香港イミグレから追加説明などを求められることになり、審査の長期化を招いてしまいます。

的確な申請書類の作成で迅速な就労ビザ取得

弊所は今回説明したそれぞれのルートについて多くの申請実績があり、香港イミグレとのやり取りから、審査担当者がどういったポイントをチェックしているかについてノウハウの蓄積があります。
申請について不安を感じていたり面倒な手続きをまかせたいときは気軽にご相談ください。要点を得た申請書類の作成により迅速なビザの取得を約束します。

 

香港ビザ申請代行