香港での転職

香港で初めて仕事に就くときは就労ビザ(Employment Visa)を申請し、就労開始までにビザを取得しておく必要があります。
就労ビザ申請の審査は、申請者の経歴や資格について、ビザスポンサーとなる雇用主の下で担当する業務との関連性が審査されます。海外営業職として勤務するのであれば、日本国内での営業経験だけでなく海外とのつながりや語学力などが審査されます。日本食レストランでマネージャーをするのであれば、一定年数の飲食業での経験の有無がビザ発給のポイントとなってきます。
逆に、これまで営業職の経験しか持っていない者が経理担当マネージャーのポストでビザを申請する場合、その分野の資格等よほど特筆すべきものがない限り困難な申請になると予想されます。

また、就労ビザの審査は申請者だけが審査されるのはありません。スポンサーとなる雇用主についても、事業が安定的に継続して行われていることが必要です。雇用主の事業が安定して継続的に行われていることを求めている理由は、香港政府がローカル人材の雇用拡大を期待しているという面と、ビザを与えたものの雇用主の経営悪化により就労ビザ保有者が解雇され、結果としてその者が不法滞在者となることを防止するという面があります。したがって、雇用主は、ビザ申請者のために、自社の登記関係書類や財務資料を提出して、法人の合法性・健全性を証明する必要があります。

就労ビザを取得して香港で働いている者は、転職先が見つかれば転職することができます。
ただし、転職して雇用主が変わった場合は、香港入境局(以下、香港イミグレ)に申請を行い審査を受ける必要があります。
上記のとおり、就労ビザは申請者と雇用主双方が審査の対象となるため、どちらかがビザ発給の条件を満たしていなければビザは認めれられません。当然、次回のビザ更新も認められません。

スポンサー変更とは

無事 就労ビザが発給され雇用が開始された後、様々な事情により雇用主が変更されることがあります。
例えば、現地採用の方であれば転職により、駐在員であれば香港内グループ企業に転籍することなどが考えられます。

その場合、いまお持ちの就労ビザは申請時のスポンサーを基準として与えられたものであり、ビザ有効期限がまだ十分にあるからといってそのまま新しいスポンサーのもとで仕事を始めてしまうと違法となります。

このような場合に必要となる手続きがスポンサー変更とよばれる手続きです。

スポンサー変更申請には注意が必要

転職などでスポンサー変更をされる方は既に就労ビザをお持ちですので、雇用主が変わるだけの簡単な手続きと思われる傾向がありますが、実際は、初めての就労ビザ申請と同様 申請者の経歴と担当業務の関連性、雇用主の業態・財務状況・事業規模など様々な項目が審査されることとなります。

したがって、いくら自分がやりたい仕事で採用されたからといって、これまでの学歴・職歴とかけ離れた仕事であれば、そのビザ申請は一筋縄ではいかないことが予想されます。

また、雇用主側の審査として、会社としての安定性・継続性に疑問を持たれるような場合(例えば二期以上赤字決算となっている場合)や、申請者を雇用する必要性が感じられないような場合(申請者の担当業務を行っている社員が既にいる場合)、それらの疑問点・問題点をクリアできる十分な根拠資料を準備し申請を行う必要があります。

なお、雇用主がそもそも合法的に事業を行っていない場合、例えば、当該事業に必要なライセンスを取得していない場合等は論外です。

 

スポンサーを変更される場合は通常の就労ビザ申請と変わらないことを念頭に、転職・転籍前、そしてスポンサー変更申請前に、就労ビザの発給基準が満たされているかどうか検討してください。

 

スポンサー変更申請の手続概要

申請先
本庁の延長セクション
Extension Section
5th Floor, Immigration Tower,
7 Gloucester Road, Wan Chaiまた、香港内に5ヶ所ある出張所でも手続き可能
提出書類
以下は一般的な提出書類となります。
個々の申請により申請者・雇用主の事情が異なりますので、状況に応じて必要となる書類は異なります。

  • 申請書(ID91、ID990B)
  • 申請者のパスポート原本及びコピー
  • 香港IDカードのコピー
  • 前勤務先の退職証明書
  • 新勤務先の雇用契約書
  • 申請者の学歴を証明する書類
  • 申請者の職歴を証明する書類
  • 雇用主の登記書類
  • 雇用主の財務書類
  • 雇用主の事業所の賃貸契約書/権利書
標準処理期間
4週間程度
法定費用
230HKドル ※年度ごとに変動します


なお、スポンサー変更申請が許可される場合、現在お持ちのビザの有効期限が十分にあれば、新しいビザ(ラベル)は発給されません。
その場合は、新しいスポンサーのもとで次回ビザ更新期限まで就労を許可する旨の通知書のみが発行されることとなります。

 

弊所では香港就労ビザの申請サポートサービスを提供しています。
転職を検討しているがビザが問題なく発給されるか不安な場合は弊所にて発給可能性の診断をいたします。
転職が決まった後も、スポンサー申請の面倒な申請書類作成・申請手続きはすべて弊所にお任せください。
また、スポンサー変更申請の不許可通知等を受けてお困り際はお気軽にご相談ください、状況をお聞きし適切な対応策をご提案します。

 

                  

 

弊所が提供する香港ビザサービスは以下リンクをご確認ください。

 

香港ビザ申請サポート