分離可能性条項の解説
国際契約では契約相手国の法規制などを完全に調査することは言語の関係もあり難しい。
契約後に一部の条項が意図せず相手国の強行法規に反していたような場合、その一部の違法性のために契約全体が無効とされてしまうのでは当事者双方にとって不幸な結果となる。
また、例えば、契約関係について当事者が裁判で争っている場合に、権利主張側当事者が契約書中の一部の規定が法に反することを理由として訴えが裁判所に全く認められなくなるような事態も起こりえます。
分離可能性条項はそのような展開を避けるために、たとえ契約書中に法的に無効とされる規定があったとしても、契約書のそれ以外の条項は有効に存続するよう手当する条項です。
英文の条項タイトルではSeverabilityと呼ばれています。
分離可能性条項の例文
契約書中に法的に執行力のない条項があった場合、その条項は除外され残りの条項が有効に存続することを定めています。 If one or more provisions of this Agreement are held to be unenforceable under applicable law, such provision shall be excluded from this Agreement and the balance of the Agreement shall be interpreted as if such provision were so excluded and shall be enforceable in accordance with its terms. |
違法・無効な条項があっても他の条項には影響しないこと、さらに、違法・無効な条項についても法が許容する最大限まで有効な規定へと改めて解釈されると定めています。 In case any one or more of the provisions contained in this Agreement is for any reason held to be invalid, illegal or unenforceable in any respect, such invalidity, illegality, or unenforceability shall not affect any other provision of this Agreement, and such invalid, illegal, or unenforceable provision shall be reformed and construed so that it will be valid, legal, and enforceable to the maximum extent permitted by law. |